遺品整理の失敗談 1

祖母の遺品整理をしている時、とんだ失敗をしてしまいました。取りあえず家族で手分けして現金や貴重品などを見つけだし、別にしてから不用品を処分していったのですが、祖母は寝室として使っていた部屋とは別に、物置として衣類や趣味の道具などを置く部屋を使っていたため、処分するものがとても多く手間取っていたのです。そこで、邪魔になるものから外へ運びだし不要だと判断したら借りてきたトラックにどんどん積んでいったのです。トラックが満杯になれば処分してくれる業者まで運び、それを何回も繰り返していました。問題は、その時運び出した衣装ケースでした。祖母は衣装持ちで、しかも古いものでも捨てられなかったためその量はかなりの物でした。半透明のケースでしたから中が見え、いかにも年代物とわかるものや古びたタオルなどは中身を確認せずにトラックに積んでしまったのです。

ところがそのケースも残り一つとなった時、ふたが外れて中身が散乱した時に衣類の間からネックレスや指輪が出てきたのです。それもかなり立派で高級そうなものばかりでした。私達より遅れてやってきた母が青ざめて残りのケースはどうしたと聞くので、処分へ回してしまったというと慌てて業者に連絡し、処分しないでくれと言い出したのです。母が言うには、祖母は亡くなる少し前から認知症の症状が出始め、自分の大切な物を失くしたと言って騒いでいて、実は衣装ケースに隠しておいたらしいのです。母は何回か隠している現場を確認していたのです。私はそんなことちっとも知りませんでした。大事な形見を処分してしまったということで自責の念に駆られましたが、幸いにも業者が処分を止めていてくれたため、ケースを再び家に戻しすべて確認し、出てきた貴重品を無事形見分けの品とすることができました。

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